少子高齢化問題について 政府はもっとアイデア出して考えるべき ! 2006/ 2/ 1


☆総務省統計局のHPに、今年の一月一日現在の日本の総人口が掲載されておりました。
それによると、総人口は12,773万人(概算値)で、昨年の正月に比し9.4万人の増加となっております。 (0.07%の増)
昨秋、一時的に日本の人口が減少に転じたという報道があり、最近とみに少子高齢化の問題がクローズアップされておりましたね。
労働人口の減少、年金負担問題、国力低下問題など、特に若者が減っているということについての様々な課題がマスコミなどでも指摘されております。
そして政府も専門の担当大臣ポストを設け、この問題に対しては一応真摯に取り組む姿勢を見せています。
 確かに、この少子高齢化の問題は、国の将来に大きな影を投げかける問題であり、何らかの手段を早急に講じる必要があります。

しかし今までの政府の対応や、マスコミの取り上げ方を見ていると、まだまだ皮相的な側面でしか取り上げておらず、もっとより根本的な面から取り上げる必要があると感じているのは私だけなのでしょうか。  ( おおっ! 大上段! )

☆人類の歴史を見てみると、人口の減少問題は決して目新しいものではなく、過去にも様々な地域で、様々な要因でこの問題が発生しているのです。
歴史を遡ると、東アジアでは特に漢の時代末期には人口が1/10にまで減少したという事例もあり、また、ローマ帝国の末期においても、ヨーロッパ全域での人口も大幅に減少したそうです。
この大きな要因は、世界的な天候不順での食糧不足によるものでもあった訳ですが、社会的な要因 ⇒ 一つの文明の凋落 という事項も大きな原因となっておりました。

勿論、現代日本の問題を、即それらの時代と比較することは無理がありますが、今、異口同音に言われている『世相の閉塞感』という切り口でも、これを検証してみることもまた必要ではないかと思われます。

☆何故、現代日本の人口が減少傾向に移行するのか?その具体原因とは
最大の要因は、勿論『少子化』でありますが、では何故少子化が進んだのか、抜本的な説明がなされた話は余り聞いたことがありません。
短絡的に『女性が子供を産まなくなった』『女性一人あたりの出産人数が減った』というだけの説明では正解ではないようです。
というのは『既婚女性の出産人数の減少』よりも『未婚の女性の数が増えた』のが、より大きな原因だというデータがあるからです。
つまり出産可能な女性の中で、結婚していない女性のウエイトが増えれば、それだけ社会全体の出生率が減る訳です。 (婚外子の問題はさておきます)
統計データによると、20代後半の女性の未婚率は、1980年では24%であったものが、2000年には54%と、過半数となってしまっています。
 (第一生命経済研レポート 2005.8 を参照)

では何故未婚の女性の数が増えたのか、この件についても様々な説が言われております。
『結婚したくない女性(or男性)』が増えたのか『結婚するためのチャンスが減った』かでありますが、よく言われている説では『結婚する必要が薄れた』という
ものです。
確かに男の側から見ても、コンビニや外食チェーンで24時間好きな時に食事も出来、洗濯や掃除も機械任せで済ませられる時代になっており、昔の様に
『一家を構える』必要性が薄れてきた事も事実であり、女性の側から見ても、就業の機会の増加と相まって同様の傾向にあることも言えると思います。

 また、過去の日本文化においてカップル成立に大きなウエイトを占めてきた『仲人さん』の存在も、最近では絶滅危惧種となる程、見合い結婚の率も
低下していると聞きます。 (1960年代後半での見合結婚の比率41%に対し、2000年前後は僅か7%となっているとの事)
特に日本の男性は西欧諸国のそれに比し、大方が『シャイ』であり、自分から積極的に伴侶を見つけるという行動に出るのに不得意、或いは躊躇する傾向が強く(私の近辺でもそういう人達を良く見掛けます)それと先述の事とあいまって、現代日本において『カップルがゴールインする率』が低下しているのではないかと考えられます。
つまり今の日本の若者の間では『カノジョいない君』は当たり前の存在と化している訳であり、同時に女性の側から見ても『30過ぎの負け組み』がトレンド化
の傾向にあります。

 勿論、本人たちもずっとそれで満足している訳ではないでしょうが、そのことと合わせ
  社会的課題 ⇒ 世代間所得格差の拡大 ⇒ 若年層への所得分配率の低下
 の現象と、それに付随したフリーターやニートの増加、またそれに加えて『子育て費用の高騰』など、結婚後の生活不安も無視できない要素となっており、ますます若者の『結婚離れ』の傾向が高くなってきていると分析できます。

☆具体的対策について
◎しかしここまでは国政担当者も、マスコミや学識経験者達も過去から散々言ってきておりますが、問題は、これを具体的にどう解決するか、であり、どうも今の彼等の論調は 『困った困った』 だけで終わっており、何ら具体的効果的な解決法を見つけられないでいるのもまた現状です。

☆ここで私なりに考えた対策を述べてみたいと思います。 ( 誰も期待していないでしょうが、まあ聞いてやってください (*^^)v )

◎日本民族のメンタリティに合った結婚推進のシステムを再構築する
○具体的には『仲人システム』を見直し、大々的に再度PRする
民間の結婚相談所やブライダルサイトだけでなく、NGO?として、地元の草の根レベルでの仲人さんを養成する
 (『仲人士』などの資格を国が設定しPRする)
『シャイで内気な』日本男児に対しては、『嫁取り』を強力にプッシュする社会的な仕組みが必要なのです。
いくら日本女性が戦後強くなったといっても、自分から男の子に積極的にアタックする人は、そうそうはいないでしょうし。


◎税制上で、所帯持ちを、より優遇する
○配偶者控除の復活と大幅引き上げとあわせ、逆進部分を設ける  (今の配偶者特別控除廃止の政策は、明らかに時代のニーズに逆行している)
  ⇒ 『独身税』の創設? 例えば30歳以上で独身の男女に月三万円程度の課税を行なう (配偶者死亡等の場合は除外)

※大議論となるでしょうね。(^_^)  基本的人権の侵害として問題となるかもしれません ⇒ 『独身でいる権利』?
しかし人類社会の基本は、その構成員が過去より受け継いで来た文化と文明の成果と資産を、次の世代にきっちり伝えてゆく事で成り立っており、これが可能なのにそれを拒否する者は『人間としての義務』を放棄することであり、継続した社会の大前提を崩すこととなり、ペナルティ支払いは当然である、という論もまた成り立つ訳です。
(こんな事書くとすぐファッショだ!とか、全体主義礼賛!だとかいう人が出るかもしれませんが、あくまで論議の一環として述べたまでの事です)
人類社会の継続的発展の在り方を研究する『サステナビリティ』思想においても、その基本概念として『世代間責任』を前提としており、その一番の大元となるものが、やはり『自分自身の子孫を残す事』なのです。

歴史上にも、過去人口減少問題が生じたことがあり、その時の解決策としてこの考えが適用された事実があるのをご存知ですか?
それは、古代ローマでのアウグストゥスの時代のことです。 BC15年に彼は『ユリウス正式婚姻法』なるものを制定し、子沢山家族の優遇と独身者への課税強化を行なったのです。 やはり優秀な政治家であったアウグストゥスの対応は、どこかの政府と違い、素早かったのです。


◎子供を生むことにインセンティブを与える
ある自治体が、その職員に対し第三子誕生時に百万円、四子には二百万円、五子以降に三百万円の祝い金を出す、という報道がありましたが、これに類するものです。
※私はこの案には余り賛成できません。
何故なら、結婚した女性は生涯に生む子供の数は余り変わっていないとのデータもあり、それよりも優先すべきなのは先ず『家庭を持つ』カップルを作ることを優先すべきであると考えるからです。


◎移民政策の抜本的見直し    ※上記等の『現在の日本民族』を増やす案と平行して是非実施すべきと考えます。
現代世界では、日本の少子高齢化はむしろ例外な部類であり、世界を見ると発展途上国を中心として未だに人口爆発が続いており、今世紀中盤には世界人口は百億を突破するといわれています。
その中で、今の日本は移民の受け入れについては極めて消極的であり、事実上、他国からの移住を拒否しています。
確かに、不法駐留外国人の犯罪問題等を見ると、無節操な受入はすべきではありません。  しかし、過去二千年の日本の歴史を見ると、日本人は明らかに混成民族であり、特に6〜7世紀頃には、大量の半島からの移民を受け入れてきたという事実もあります。

ここで今迄の発想を変えて知恵を出し、スムース且つ相互にメリットのあるやり方で、移民の受け入れを行なうべきであると思います。
我々は余り自覚していませんが、他国の人たちから見ると、今の日本はまさに彼等にとって『夢の国』と映っているのです。
つまり日本から見ると、移民問題は明らかに我々の『買い手市場』なのです。
この利を生かし、我々の望む形での移民の受け入れを、日本民族百年の計として、今こそ積極的に行なうべき時ではないでしょうか。

その具体的手法について
現在の国内の『過疎地』において実質的に『廃村』となった地区は多々あると聞いており、日本における『過疎化対策』とリンクさせて考える。
具体的には
 海外よりの移民希望者を『村落単位』で募り、その希望者と国内の廃村を抱える自治体との協議により『村ごと受け入れる』形をとる。

廃村を国か自治体が安く買い取り、移住希望者に条件付きで無償で提供する。
日本の山村と似た環境の地域の人達を優先させ、彼等の移住のストレスを極力軽減する。
一定期間(20〜30年前後)継続居住を受け入れの条件とする。
国内でも人口集中の激しい都市部への移住は原則として行なわない。
受け入れた地区の人たちでNGOを作り移住者をフォローする。

それにより
 ・国内の過疎地帯の荒廃防止
 ・集団移住と生活基盤の提供により外国人犯罪を防止
 ・移住者の子供を日本の学校で教育する事により、若年労働者の確保
等のメリットが想定され、長期的見地からも、日本民族の多様性の確保の意味で有用であると考えられます。

※今はやりの『構造改革特区』としてトライアル実施することも、一つのブレークスルーとなるかも知れません。

上記の如く、発想さえ変えれば少し考えただけでも様々な施策が想定できます。
猪口邦子担当相も、出産無料発言等でミソなど付けず、もっと色々な切り口で頑張ってほしいですね。


※追記: 2009年5月5日
 2009年5月5日のテレビ番組で、お見合いシステムをボランティアで進めているグループが紹介されていました。
石川県金沢市で、60代以上のお年寄りが中心となりお見合いist(おみあいすと)というボランティアグループを立ち上げ、地域で婚活を希望している若い人達のお見合い活動を、無償で支援しているとの事です。
 (その後『縁結びist』と変更した模様)

このグループが継続して大きな成果を挙げているポイントとして
 ◎お見合い希望の登録は無償であり、若い人が気軽に利用できる事。
 ◎地域の、特に定年退職したお年寄りが中心のボランティア活動の為、ツボを押さえた、親身になった世話を行っている事。
 ◎仲人さん同士が頻繁に情報交換を行い、幾多の過去の経験から、最適な組み合わせを見つける事が可能で、お見合いの成功率が高い事。
などの点を報道しておりました。

 国が何もしなくとも、地方の有志の人達によって、このような『日本人の気質にあった』活動が草の根レベルで展開されていることについて、大変心強く感じました。






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