造反議員復党問題で改めて暴露された自民党のトンチンカン 2006/10/31


☆郵政民営化の騒動で小泉元首相に自民党を追われた造反議員たちが、安倍政権になってほとぼりも冷めた今を見計らって、またぞろ自民党に復党したいと様々な動きを見せており、安倍総理もそれに対し肯定的な発言を繰り返しております。
 一方、小泉氏の『刺客』として彼らと戦って議員の座を勝ち取った、いわゆる『小泉チルドレン』たちは、足並みは揃っていないものの概して絶対反対の立場を表明しております。 もちろんこれは当然のことであり、若しそれを許した場合、次回の衆議院選挙で復党議員たちにしっぺ返しされコテンパンにされることは確実だからです。
 この一連の動きを、我々国民はどう見ているでしょうか。 やはり後援会など関係者を除く大半の人の目には、『性懲りの無い茶番劇』としてしか映っていないことは確実でしょう。 だって、前回の衆院選で我々国民が今の政治家達に対し、どういうメッセージを示したのかということが、彼らには全く理解できていない事が明白だからです。 郵政民営化問題に象徴される国民の一連の反応と選択について、ほとんどの自民党幹部や当の造反議員たちは、相も変わらない単なる『コップの中の嵐』としてしか見ていないようなのです。

☆小泉氏の提示した『郵政民営化』に関しての国民の本当の思いは、単に郵政省を民営化して役人を減らすことだけに対して賛成したのではなく、その動きに象徴される、戦後の社会システムの大変革を期待しての事だった筈なのです。 戦後60年を経過し、終戦後しばらくは有効であった官僚による中央集権システムが、現在においては大変な制度疲労を起こし、その弊害によって日本社会の成り立ちそのものが瓦解してしまうという危機感を国民が皆強く抱いており、そのために皆こぞって『造反議員征伐』をおこなった訳なのです。 ところが、そのことを全く理解しようとしない懲りない面々は、政治的駆け引きのみですんなり『元の鞘』に戻ろうとしています。 そしてそれを国民が黙認すると錯覚しているようです。 『なんとかにつける薬は無い』といいますが、もうそんな甘っちょろい狸芝居は許されない時代なのです。

☆今、日本の国民が感じ取っている最大の危機感は

    官僚と族議員の手から全ての利権を召し上げ、省庁や特に外郭団体のあり方を一度すべてリセットしなければ日本がつぶれてしまう!

  という想いに他なりません。 1000兆になろうかという累積赤字を平気で垂れ流し、国民にその恩恵を全く受けさせてこなかった彼等一部議員と官僚に対し具体的に鉄槌を下し、その責任を白日の下に晒すことこそを国民は望んでいる訳なのです。

☆安倍政権が若しこのまま造反議員たちの言うがままに彼等の復党を許し、国民の本当の思いに対し目を瞑り続けるならば、安倍晋三氏は『最後の自民党の総理』となるやもしれません。 後援会の面々や側近の言葉だけ信じていては、これらの事は全く理解できないでしょう。 やはり戦後政治の中で最大の勢力であり続けた自民党も、その得意とするムラ型合議システムの制度疲労と陳腐化とともに、その存在意義を終える日も近いのかもしれません。




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