みんな同じ穴のムジナ 小沢一郎氏秘書逮捕のドタバタ  2009/ 3/ 5



☆3月3日、東京地検特捜部が、政治資金規正法違反の疑いで、民主党の小沢代表の大久保秘書ら3人を逮捕した、と報じられておりました。

 これは、準大手のゼネコン『西松建設』が、そのOBらを代表とした『未来産業研究会』などの政治団体を通じて、小沢氏や森喜朗氏など複数の有力国会議員の資金管理団体へ、多額の政治献金を継続していたことが2008/12に表面化し、その流れの中で、西松建設からの政治献金であることを知りながら陸山会の政治資金収支報告書に虚偽の記載をした疑いなどがあるとして、政治資金規正法の違反容疑で、彼の公設第一秘書などが逮捕されたわけです。

 この三日間ほど、新聞各紙はこのことをトップ記事扱いで逐一報道しております。 特にここ最近、政治屋さんたちにまつわるお金の話は、それこそうんざりするほど聞かされてきましたが、今度は自民党ではなく、最大野党の民主党の代表であるだけに、他の与党議員の時とはひと味違った意味合いがあり、またぞろ政局が喧しくなってきているようです。


☆小沢氏といえば、過去から自民党の旧弊体質を鋭く批判し、自らの収入などについてはオープンにしていた筈なのですが、やはり大方の政治屋さん達と同様、ご自身の脇は大変に甘かったようです。
3月5日現在、本人さんはいたって強気で、この逮捕劇は『地検と与党政府の陰謀である』との見解を堅持して、民主党共々、全面対決の姿勢を取り続けております。

この点についての見方としては、党首の立場上強気にならざるを得ない、との意見もありますが、どうも相当の部分、ご本人は本気で、政治資金規正法違反に関して自分は無実である、と信じているように見受けられます。
 しかし第三者的にみて、地検がこれだけ確信を持って野党のキーマンを挙げているのですから、やはり何等かの違反の事実は存在するとみるべきなのでしょうが、同時に、そこに、彼等国会議員さん達独自の『甘い見方』が依然として存在しているとも考えられるのです。

 先項にも書きました『六義の制』的な発想で、自分達はお国の為に頑張っているのだから、少々の法的逸脱については法律の適用を斟酌すべきであり、特権階級としての扱いをすべきである、との想いが、心のどこかに存在しているのではないでしょうか。 過去、小沢氏は、東京佐川急便事件で失脚した故金丸信氏の有様を間近に見聞きしていた筈であり、その時の学習効果からいっても、企業の献金などについては、余程慎重であるべきはずなのですから。

どうもそこに、彼等議員さんと国民の想いとの最大のギャップが存在していると思われるのです。

 また、本当に小沢氏が献金問題については全て秘書任せであり、本人は一切ご存じないことであったとしたら、その場合彼は、完全な『ただの裸の王様』でしかなかったことになります。


☆佐藤優氏など一部のうがった意見では、この時期に東京地検が小沢氏を挙げたのは『官邸が指示した国策捜査というよりは、現場の検察官の本性が出たように見える。彼等は青年将校のように、民主党に権力が移って政治が混乱するのは国益を害すると信じて一生懸命捜査したのだろう。云々』などという見方(山陽新聞3/4朝刊)などもありますが、さすがにそこまでは穿ち過ぎと思われます。
彼等検察官がこれまで摘発してきたのは、圧倒的に自民党議員が多いのですから。 逆に、彼等が政治の思惑に捕らわれない独自性を誇示したかった、という見方の方が正解と思われます。


☆けど、世上の大方の見方としては、やはり国会議員さんなどという連中、特に『古狸』クラスの人たちは、皆同じ穴の狢であり、単に『ばれた人』と『ばれていない人』の差しかない、というところではないでしょうか。
 過去、身体検査についてあれだけ大見得を切っていた小沢氏がこの状態なのですから、他は推して知るべし、といったところなのでしょうね。

 やっぱり、そろそろ政界の古狸さん達には、与党も野党も含めて、皆さん大掃除されてしかるべき時代だと思います。


☆この時期を好機として、一気に解散総選挙に打って出るべきだ!との一部自民党議員の発言に対しては、さすがに麻生総理も言下に否定しはしましたが、日本政治の正常化の為には、その方がかえって良いと思うのですがねえ。 勿論、そんな事に託けて解散などした場合には『火事場泥棒解散!』なんて後で言われるかもしれませんが。

 ま、どっちに転んでも、次回の選挙で自民が勝つことは、100%有り得ない事だとは思います。


☆6月11日追記
本日付けの朝日新聞朝刊に、西松事件を巡って民主党がこの違法献金事件の検証を、大学教授などの学識者に委ねた『第三者委員会』の報告書が提出されたと、一面に載っておりました。
報告書では
1.検察側の操作手法などには多くの問題があり、総選挙間近であるにも拘わらず野党党首を辞任に追い込むなど重大な結果を招いた。
2.各メディアの報道姿勢についても、検察寄りであり公正さを欠いていた。
3.民主党自身に対しても、『政党としての危機管理の失敗』と位置づけており、小沢氏の個人的立場と公人としての立場の違いの切り分けが出来ていなかった。
4.小沢氏も、国民に対して説明責任をきっちり果たすべきであった。

 以上の内容であったと報じられておりました。

 ま、この件に関して、検察側からその後の具体的な情報も余り出て来ず、これ以上の進展もあまり無いようで、やはり、というか、竜頭蛇尾で知らぬ間にチョン、という結果になるのは確実な模様であり、ということは、『検察が暴走した結果の茶番劇』であったという結論になりそうです。
 勿論、その下地には上記の如く『政治と金』の問題について、国民の強い不信感があって『火のないところに煙は立たない』という大原則は厳存している訳ですが。
今回のどたばたは、『検察がその火をふうふう煽って大きくした』というのが真相なのでしょうか。

 また朝日新聞は、このメディアに対する批判への見解として、第三者委員会の報告記事の四倍の紙面を割いて、社会面に『自己弁護の記事』をデカデカと掲載しております。 新聞の読者としては、こんなお手盛り記事を読む為に、お金払って毎月購読しているわけではないんですけどねえ。
潔く反省文を載せた方が、うだうだと弁解するよりも余程すっきりするんですが、アサヒさんも雀百までという如く、根性直らないですな。



※最近よくマスコミなどで使われている『説明責任』って何なんだろうって思いませんか? 5W1Hを踏まえてよ〜く考えても、何かようわからんですな。 勿論、『弁解すること』とそれとは違うだろうし、聞く耳を持たない相手には何を言ってもムダだろうし。 大方の論調だと『つつみ隠さず全部ゲロしろ!』という言い方になるんでしょうが、そんな事出来るわけ無いじゃん、って誰でも思う筈なんですが。

 『説明責任を果たせ!』、『聞く耳は持たん!』というのが、今の議員さん達の論法じゃないでしょうかね。

 少なくとも日本国の法律では『黙秘権』もあるし、『ワイドショーに無理矢理出さされたスケープゴート』に対して周りが囃し立てる言葉としか思えませんね。





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