政治潮流の変化を実感 民主政権の百日 2009/12/25
☆民主党政権が誕生して百日あまり経過し、マスコミ等では『新政権と国民とのハネムーン期間か終わった』として、これまでの鳩山政権の中間評価を盛んに特集しております。
この、百日のハネムーンというのは、本来はアメリカの政治から来た用語であり、政権発足の当初は、多少様々なごたごたやもたつきがあっても、国民は大目に見ようよ、という意味であり、今までの日本の、特に自民党政権ではあまり言われなかったことですが、今回は日本政治の枠組みが大きく変わったということで、鳴り物入りで発足した鳩山政権を、一歩引いた見地から俯瞰するという意味では、それなりに意義のあることなのかもしれません。
大方のマスコミの論調は、当初の期待や国民の支持が大きかっただけに、多少辛口のコメントが多いようですが、たった三月ほどで、それも予算編成の終わった後での政権交代であり、まだまだ長い目で見る必要があるというのが妥当なところであり、そういう堅実な意見も多いようです。
今現在、新聞各紙の調査では、国民の内閣支持率は多少下がってきてはいるようですが、前政権のレベルより遥かに高率を維持しています。
様々な難題を抱えた政局運営の中、種々の懸案事項も山積していますが、その進め方の中で特に課題なのが、連立を組んでいる他政党に余りに振り回され過ぎている感を持つのは筆者だけでしょうか。
なぜ弱小政党にここまで遠慮しているのか、民主党の信条やマニュフェストに反してまで国民新党や社民党の意見を通す必要は全くないはずです。
特に国民新の亀井氏に対しては、余りな厚遇が目立ち、川柳にも『亀のエサ代 高過ぎる!』とあるように、その政党の得票数に比例したレベルの影響力に制限すべきと思います。
一方、鳩山総理自身の献金疑惑については、秘書が検挙され、真面目な鳩山氏が一生懸命苦しい説明をしているのがテレビで放映されておりました。
やはり法律違反は違反ですから、追求されてもやむを得ないことではあります。
しかしこれも、結局は自分の身内のカネであり、以前の自民党の一部議員の如く、他人の金に絡む事件とはまた違うレベルのことであり、少し別のニュアンスとして、『あるとこにはあるんだなぁ〜』といった感覚で、多少の羨望を込めて大方の市民は受け取っていると思います。
鳩山氏が、金持ちの道楽としてでなく、ノブレス・オブリージュとして政治家を目指し、総理の座についたのであれば、それはそれで立派なことであり、自身の持てる金を有効に使って、国民のために頑張ってくれておれば、それは皆にとっても良いことだと思います。
いまのところこの献金疑惑が鳩山氏の進退問題に直接発展することはないと思われます。
しかし現実の政策に対する見解や発言のブレについては、様々な危惧が残ります。
普天間基地問題は社民党の強い横槍で、結果2010年度に先送りし、アメリカと不協和音を生じさせ、また、マニフェストの実施においては、ガソリンの暫定税率廃止の実質取りやめや一部項目の修正、そして来年度の予算編成において、景気対策への配慮から過去最大の規模となった一方、税収の落ち込みをいかにカバーするかで、相当な無理をせざるを得ない状況となっております。
様々な苦しい政権運営の中で、一部では、来年度予算の成立とバーターで、鳩山氏の首を差し出す、などとも囁かれていると聞きます。
旧来の自民党が、今の民主党以上にうまくこの現状を切り抜けられるとは、誰も思っていないでしょうがね。
確かに、従来の自民党式の政治力学で見た場合には、普天間基地問題を当初案通り実施することと、2010年度予算の成立と引き換えに鳩山総理は退陣し、菅氏あたりにバトンタッチする、というストーリーが成り立つと思われます。
しかしそうなると、またもや一年未満で一国の代表者が変わってしまうわけであり、それは国際的な信用問題からも、絶対に避けるべきことです。
別項にも書きましたが、総理や各大臣は、最低四年以上は務めてもらわねば、継続的かつ正常な政権運営は不可能な筈です。
それができなければ、またぞろ官僚主導の世界に戻らざるを得なくなるわけで、戦後政治の最大のウミである、政治ポストのお飾り化/日替わり定食化は、折角民主党政権になった今の時点で、完全に決別すべき時なのです。
鳩山さん、いろいろ苦しいだろうけど、絶対辞めちゃだめだよ!
各大臣・副大臣や政務官も、過労死にならない程度に、頑張ってください。