民主党政権は平家政権? さっぱり見えてこない日本社会のパラダイム変革   2010/ 5/ 4



☆歴史は繰り返す、といいます。

今から千年ちょっと前、日本社会は、一部の宮廷貴族が権力と財力を独占する平安期から、当時実力を蓄えつつあった武士(武装農民)階級に、イニシアティブが移りつつあった時代でした。
その時、武家で先ず権力を握ったのは、平清盛に率いられた平家一門でした。彼等は、過去から国家権力の中枢にあった藤原氏一門に替わって朝廷の主要な地位を占めるようになり、保元・平治の乱を経て国政を独占的に動かすようになりました。

しかしその権力を把握する為のやり方は、従来藤原氏が行ってきたネポティズム(閨閥主義)に基づいた手法であり、清盛はその娘を入内させ、天皇家の外戚としてオーソライズされる事により、権勢を一方的にに振るった訳です。

しかしこれでは、彼等平家政権の成立が、武士が台頭した時代の象徴的な事象であったとはいえ、当時の日本社会のパラダイム自体を大きく変えるものとは全くなり得ず、かえって大方の武士階級の反発を招くだけの結果で終わり、平家にかわってその時代の変革エネルギーを纏め上げることに成功した源頼朝によって、僅かな期間で取って代わられることとなりました。

やはり、新政権の外見は替わったが中身は一緒というのでは、真の社会パラダイムの変革とは程遠く、一般民衆がその事に明確に気付いた時、その『なんちゃって新政権』は、あっという間に見捨てられることとなる訳です。


 今の民主党政権の混乱振りやばらまき振りを見るにつけ、昨秋鳴り物入りで誕生し、大方の期待を一身に受けて誕生した時と比べ、変革が多少トーンダウンしたというだけのレベルとは違って、何か抜本的な部分が国民の期待と大幅にずれてきたと見ざるを得ない感じがしているのは私だけでしょうか。

民主党の『第二自民党化現象』とでもいうべきものが、彼等が権力を握ったとたんに起こり始めたようです。

党の面子と党利党略、選挙対策とご都合主義、そして党内部の意志不統一ばかりが目につく最近の民主党政権であり、ほんとにこのまま政権任せて大丈夫なんかな?と些か心配になってきます。

かといって、これも大方の意見だと思いますが、『いまさら自民党?』なんですよね。 昨年は、一時は二大政党政治の誕生を期待してもいたのですが、今の四分五裂振りを見るにつけ、『自民、終わったな〜』という感慨を持たれている方も多いと思います。


やはり、覆水盆に返らず で

 平安貴族 = 自民党政権 ( 前にもこの事書きましたよね?(^0^) )
 平家政権 = 民主党政権 と見ますと、もう平安時代には戻れず、今後は、源氏が政権を奪取し、社会パラダイムを一気に変革する以外に道はないということになります。

今現在、どの政党や団体が『源氏』にあたるのか解りませんが、やはり政権を取った時点で『京』から『鎌倉』に日本の中枢を移すくらいのインパクトのある改革を行う力がある組織でなければならないはずです。

筆者も期待していた民主党が、『驕れる民主、久しからず....(合掌)』 ではあまりに寂しいのですがねえ。


 筆者の私説として、日本の社会パラダイムの変革はスリーステップで行われてきた、という『三段階革新仮説』を(無謀にも)唱えているのですが
※これについては、拙著『弥生の神々の末裔』306頁以降をご参照ください。

この仮説を当てはめますと、源氏政権の後にもう一回政治変動があり、北条政権が成立した後、やっと社会パラダイムの変革が完了し、安定期が訪れるという流れとなります。

果たして今後の日本社会において、『今の民主党政権の後の後』がどうなってゆくか、はたまた民主党政権が当初の期待通り、曲がりなりにも社会変革を成し遂げられるのか、今夏の参院選以降、単なる議席数の増減だけでなく、様々な角度から政治に注目してみてゆきたいと思います。




 民主党さん 驕れる平家 になっちゃだめだよ! 取り敢えず期待してるんだから。







inserted by FC2 system