管/枝野体制で船出 そろそろ割れるか民主党?!   2010/ 6/10



☆とうとう民主政権が、鳩山総理から管新総理へバトンタッチされ、また幹事長職についても、絶大な影響力を維持している小沢氏から、彼とは一線を画す、枝野幸男氏に変更されました。
大方の世論は、(比較論としてではありましょうが)この人事を好感し、支持率も少し回復したようです。


 しかし、別項でも書きましたが、このままこの民主党体制が盤石な形で推移してゆくかというと、全く危うい、と言わざるを得ません。 これまでの流れを見てきて、鳩山氏と管氏とどれだけ能力が違うのか、リーダーとしての資質に如何ばかりの差があるのか、と言うと、全く見えてこないのです。
若し、管氏に日本政府をぐんぐん引っ張ってゆくだけの資質があるなら、副総理であったこの10ヶ月の間に、何らかの発現があった筈なのです。
栴檀は双葉より芳し、といいます。今までの彼の言動を見る限りにおいては、鳩山氏と五十歩百歩、と言ってしまいそうになります。ま、あまり先走ってはいけませんが。それでも、他の人よりマシ、と言うのも頷けますから。

で、それとは別に、ここで一つ大いに気になることがあります。
それは、相棒の鳩山さんは辞めてしまい、次回の衆院選挙には立候補しない、とまで言い切っております。 そうすると、小沢さんにしてみた場合、もうこれで民主党内に留まる理由が全く無くなるわけなのです。
鳩山氏、小沢氏とも、政治家として大変苦しい時を手を携えて乗り切ってきた経緯があり、この点を『あの』小沢氏でさえ、一つの絆と捉えていたと聞いております。

その鳩山氏が、政界から引退したとき、当の小沢氏にとって、様々な経歴の議員達を何とか反自民で纏め上げ、自らが手塩にかけて育て、ご本人の悲願であった政権交代を自ら成し遂げた基盤の民主党でさえ、もはや何の未練もない、過去の遺物に映っている筈なのです。


 各位ご承知の如く、現在の民主党は完全な呉越同舟の寄り合い所帯で、政権党とはいえ党内の意思統一はままならず、そこに旧来の利権構造を温存したい一部官僚の付け入る隙になっているのは、衆目の一致する所です。

それを熟知していた小沢氏だったからこそ、党の窓口を一本化して、極力の異論を封じようとしていた訳なのですが、それを枝野氏や管氏は知ってか知らずか、政調会などを復活させました。
誰が考えても分かることですが、4枚岩5枚岩の今の民主党をこんな仕組みで動かそうとしたって、事は是々非々ではなく、党内派閥の力関係で無茶が押し切られてしまうこととなるのは必定です。

政調会長に決まった玄葉光一郎氏は、ピエロの役目しか演じられないでしょう。

 今の民主党の勢力図
 小沢グループ 150名 
 鳩山グループ  45名
 管 グループ  30名
 前原グループ  30名
 野田グループ  35名
 羽田グループ  20名
 旧社会党G   30名
 旧民社党G   30名
  計     370名  
 (報道情報の出所により若干の誤差あり)

こうしてみると、小沢氏の率いる小沢グループが、ダントツの勢力を持っているのです。
特にその中の新戦力、小沢チルドレンと呼ばれる人達の、小沢氏への忠誠心は大変高いものがあり、若し今後小沢氏が『党を割るぞ!』と言った場合、ほぼ全員が彼と行動を共にすることとなるでしょう。


さあ、面白くなってきましたね。v(^o^)v

小沢氏の号令一下、150人の議員さん達が民主党を飛び出て新しい党を作るとなった場合、一夜にして民主党は瓦解してしまうこととなるでしょう。
そして、その小沢新党が合作する相手としては、多分今の自民党は有り得ないでしょうね。 特に小沢チルドレンの人達がそれでは納得しないでしょうから。

ではその時、最も連携する可能性の高い党といえば、現在のところは、『みんなの党』ではないでしょうか。
党首の渡辺喜美氏は、『小沢フリー』を宣言したこともあり、小沢氏の出方によっては、その可能性は大いにあると思います。
ご本人は、新聞記者との対談では「でも、小沢さんとは恐らく一緒にやれないだろうな」とも漏らしたそうですが、政治の世界は、単なる好き嫌いでは動かないはずですから。

 おそらく、小沢氏はご自身の健康問題もあり、今後も総理の椅子を狙う気は無いと思われます。
以前にも書きましたが、彼の真骨頂は『参謀』にあり、本人もその事は一番よくご存じの筈ですし。
小沢オーベルシュタイン殿は、黒幕に徹してこそ、日本史に名を残すこととなると思われます。
政権運営は全て渡辺氏に任せ、小沢氏は裏方に徹すれば、ご両人の掲げる理想は比較的容易く達成できるのではないでしょうか。



 小沢前幹事長も、次の参院選挙では今のまま民主党で行くでしょうが、そこでまずまずの成果を上げ、新顔の小沢チルドレンも少し増えた段階で、党を割ることを考えてゆくと思います。
今の民主党の体制運営では、少しでも頭を働かせることのできる人が見たら、もう限界であることは明白なのです。




今後の、社会パラダイムの変革について

私の理論『三段階革新仮説』で見た場合、今の民主党政権は過去のしがらみ(自民政治 ⇒ 藤原摂関政治)から抜け出すことができず国民から見放されて自壊し(平家)
次に、比較的しがらみがなく、ドラスティックに社会パラダイムを変革する事が可能な政府に換わる(源氏)
筈なのです。

どの新政党が政権を握るか、あるいは連立政権の形を取るかは分かりませんが、確実な事は『社会のパラダイムを変える事ができる』政党しか、大方の支持を集める事は不可能であろう、ということです。



 社会の実態はもう待ったなしです。 今後の速いテンポの改革に期待したいものです。






inserted by FC2 system