たかがカンニングに紙面は連日トップ報道 無定見ここに極まれり!   2011/ 3/10



☆過日より、仙台の予備校生君がスマートフォンを使い、ネットで大学入試の回答を他人に教えてもらっていた事が発覚した、と連日喧しく報道されております。

朝日新聞を見ますと、この『たかが入試のカンニング事件』について、なぜか鬼の首を取った如く一面トップ記事を連発しております。よっぽどヒマなんだね。

 3月1日 一面トップ 『入試投稿 警視庁も捜査』
 3月2日 一面二番 『特徴酷似 別ID質問も』(さすがにトップ記事は、予算案通過についてでした)
 3月3日 一面トップ 白抜き『山形の受験生 関与か』
 3月4日 一面トップ 白抜き『19歳予備校生逮捕』



なぜ、たかがカンニングに、NHKまで含め大学や関係官庁、マスコミがこれだけよってたかって大騒ぎするのか、一般の我々から見て『アホとちがうか?』との感慨を持たれた方も多いのではないでしょうか。

筆者は20年以上、朝日新聞に毎月3,007円を払ってきております。 『ののちゃん』や『地球防衛家のヒトビト』は好きですが、別にマンガ読むために新聞代払っている訳ではありません。

こんな興味本位の報道や、何か新しい類のワルサをした人間を、よってたかってスケープゴートに仕立て上げる様なレベルの報道は、新聞代金払っているだけに、よけいに読むに耐えず、腹が立ちます。


脳科学者の茂木健一郎氏twitterで、強い口調でこのマスコミの堕落に警鐘を鳴らしているそうです。

※以下、livedoorニュースからの引用です。

 『彼はまず、

「拝啓京都大学の自由な学風にはいつも尊敬の念を抱いてきました。今回の受験生に対する貴学の対応は、その伝統を踏みにじるものと考えます。特定できた段階で、警察への被害届けをただちに取り下げるべきであると考えます。これからも自由な学風を保ってくださいますよう。脳科学者 茂木健一郎」(茂木健一郎Twitterより引用)

と、京都大学の対応について苦言を呈し、予備校生の逮捕後には

「逮捕だとさ。ナチス。世界の笑い者。」、「クズ新聞、クズテレビ、クズ大学、これで満足したか?」「クズ朝日新聞が、逮捕されたとオレの携帯にニュース速報を送った。ジャーナリストは、日本にいないね。アタマの中に、本当に誰かいるのか? お前らが、日本を沈ませている。オレは、本当に日本のことを愛して行動する。」(茂木健一郎Twitterより引用)

などと、この事件を過剰に報じたマスコミに対しても過激発言。また、

「クズ新聞、クズテレビ、クズ大学。オレは、お前たちと仕事をする時は、誠心誠意やるよ。とにかく、ベストを尽くす。一緒に仕事をする仲間は、心から愛する。身体を捧げる。しかしな、組織として、お前たちが終わっていることについては、一ミリとも譲らないぞ。」(茂木健一郎Twitterより引用)

と、「人とのつながり」は大切にしながらも、組織として終わっていることを強調している。 』


 まあ、誰が考えても、今回の大学やマスコミのはしゃぎ方に対しては、違和感を通り越して嫌悪感を抱かざるを得ない所でしょう。

なんだか、カンニングした学生さんが可哀想になりませんか? もちろん悪い事やっちゃったのには違いありませんけど、カンペなど使ったりした場合は、すぐ退場さされてそこでチョンだと思いますが、小道具として使ったツールが、紙ではなくスマートフォンだっただけで、『偽計業務妨害罪』になったりして大騒ぎされている訳ですよね。

 大学当局に対しては、大人げない態度との謗りは免れない所でしょう。
本来の大学の存在意義として、前途ある若者に対し、本人の可能性をより高めるための場である筈なのですが、面子を潰されたとでも錯覚したのでしょう、深慮もなくストレートに警察に訴えたりしており、aicezuki君(カンニングした投稿者)の前途のことなど全く考えておりません。

 警察は、どこかから訴えが来たら受理して捜査しない訳には行かない立場ですし、ネット業者も警察などから捜査依頼があれば協力するのが筋でしょうから、その大元での是々非々の判断が、この様な事件とも言えない事件を、大問題に発展させてしまうわけです。

これってなんだか、ネット上の『炎上』現象と似てませんかね。自分で自分にブレーキをかける事ができない人達が、前後の見境無くわーっと大騒ぎするパターンと同じレベルに見えるんですけどねえ。
やはり茂木氏の嘆きの通り、特に大学当局のレベル低下がモロに明らかになった事件でありました。

ホント、今回の大学やマスコミの態度は、『大人げない』というより『幼稚な』としかいいようがありませんね。

 多分、最近ワルノリをよくするNHKなんかが、『クローズアップ現代』などで、またぞろ独善的な見地でこの問題を取り上げるんじゃないでしょうかね。
『入試問題漏洩事件はこうして起こった。ネット社会の光と闇!』 などと、したり顔で解った様な解らん様なコメントする解説者が出てきて、表面的な論評をして視聴者をケムに巻くのが目に見えるようです。


 で、たかがカンニングに対して、なんでこうなったのか? という事について、筆者なりに考えてみました。

 筆者の見る所、どうもその根底には、新しいツール、特にネット関連のツールに対して、現在の組織管理者連中(50歳台後半以上として良いでしょう)が、『わけのわからない、いわれのない不安』を覚えているからではないでしょうか。
自分達が良く理解できないハイテク機器を、若い連中が事も無げに使って楽しそうに何かやってる事に対し、理由のない苛立ちと嫉妬心をかきたてられ、見境無く噛みついて制裁(ほとんどリンチ)を課す、という流れが見て取れるのです。
 若し今回のカンニング事件の手法が、カンペだったり替え玉だったりしたら、当局連中の古い頭の中にある範疇に収まっており、単なるおしかりと会場からの追出しだけで済んだでしょう。彼等は、優越感と余裕を持って適正に対処できた筈なのです。
でも今回の場合、たまたま使ったツールが大学当局連中の想像を凌駕したものであったがために、過剰反応を引き起こしてしまったと考えられます。


 これと同様の根が、過去のホリエモン氏の『ニッポン放送買収未遂』なのど一連の騒動の根底にもある様な気がしますね。
あの事件については、様々な見解があるでしょうが、筆者としては、過去にも書きましたが『若いネットオタクの元気の良い連中が、法に触れるか触れないかのぎりぎりのところでうまく立ち回って、ワルさして儲けちゃった\(^o^)/というレベルのワルノリ』を、ユビキタス社会のなんたるかが全く理解できていない一部の権力者達が、真っ向から目くじら立てておこりまくり、ホリエモンや村上世彰氏達をカンガルーコートに抛り上げて、よってたかって虐めまくった、という話だと考えております。

 つまり日本の諺『出る杭は打たれる』を、政界/財界/法曹界/マスコミがグルになって仕組んで実践した茶番劇でしかなかった、という訳です。
こんなの、特に今の若い人達には、そこんところの心理はバレバレだと思うんだけどねえ。

 ま、いずれにせよ今回の騒動の成り行きでは、世上の同情票はカンニング氏の方に集まるのは必定であり、茂木氏の言われる様に、大学やマスコミは大馬鹿者であることがより明確になった事件でした。


  朝日新聞、金返せ〜!








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