スマホと監視カメラとマイナンバーで1984年? 2012/2/24
☆なにか三題噺のようなタイトルですが、ここでの1984年とは、イギリスのSF作家ジョージ・オーウェルの小説の題名のことです。
先年ベストセラーとなった、村上春樹の小説『1Q84』ではありませんσ(^^)
オーウェルが1949年に発表した同小説は、核戦争の後、世界は3つに分割され、それぞれの超大国の政府がその国民の行動や生活の全てを監視下に置き、過去の歴史的事実までも時の権力者の都合の良いように改竄し(現実世界でもどこかの共産国家がやっておりますが)また国民を全て洗脳し、国のために尽くす従順な市民として飼い慣らす、という、全体主義国家によって分割統治された近未来社会の恐怖を描いたSFの古典です。
現実の世界においては、核戦争は何とか回避され、またオーウェルが本小説のモデルとした旧ソ連も20世紀中に崩壊し、今時点において彼が描いた世界を一部なりと想起させるのは、自由な市民活動が厳しく制限され、思想統制が未だに行われ、インターネットまで細かく検閲されている中国や、北朝鮮の国内体制くらいでしょうか。
我々自由社会においては、オーウェルの描いた悪夢の世界は、取り敢えずは非現実的な空想として、小説の世界中でしか見られないと思っている方が大半と思います。
話は変わりまして
筆者は先日、とうとう携帯電話をスマートフォンに買い替えました。
はじめはあまりその気は無かったのですが、替えてみてびっくり! さすがAUアンドロイド機の最新機種ですね。今までパソコンでやっていたことの相当の部分が、このスマホ一台で事が済んでしまうようです。
たった4〜5インチの小さな画面で細かな文字を読むなど、アラカン世代の我々には非現実的な話であり、モバイルやりたいなら、せいぜいタブレットを持ち歩くくらいが正解だとずっと思っており、まだまだスマホは早いと考えておりましたが、技術の進歩は予想以上であり、サクサク軽快に動き拡大縮小が自由な画面で、やりたい事が結構ストレスなくできるのは些か驚きでした。
でもその一方、いろいろ調べてみますと、設定にもよりますが、このスマホを使う事によって様々な個人情報が知らない間にどんどん誰かに収集される仕組みとなっているようです。
既に世界の一部では、本人が知らない間に抜き取られた個人情報を元に、脅迫事件などが生起しているとの事です。
オマエの名前は○○だろう!誕生日は△△で、いま□□にいるだろう!我々はお前の事全部調べ上げている!ネットに全てを公表されたくなかったら、我々にウン千ドル振り込め!などというメールが来るそうです。(~_~;
便利さにかまけ、いい気になっていろんなアプリを入れていると、知らない間に(バックグラウンドで)入力したキーの内容からパスワードやクレジット番号を盗まれ、またGPSや電話回線の基地局情報などから、本人の居場所まで特定され、文字通り情報的に丸裸にされてしまう危険性が、パソコン/ネットの世界よりもより多分にあるということが、今回調べてみて良くわかりました。 ⇒ いまさら遅いワイ! などどツッ込まないでください。(^-^;)ゞ
まさに、利便性と危険性が隣り合わせなのが、このパーソナルモバイルの世界だったのです。
特にスマホを初期設定のままにして様々なアプリを使うと、本人が意識せずとも全てのデータが『同期』され、自分のパソコンやクラウドと一体化した便利さは確保されるものの、個人の様々な情報が常に『知らない第三者』に筒抜けになっていることを、まず良く認識すべきという事のようです。
勿論、ちゃんとした企業では悪意のある情報収集はしていないと信じたい所ですが、アンドロイド/iアプリ含め、色々な人間が作った様々なアプリが比較的自由にダウンロードできる現状、ユーザー自身がある程度の知識を持ち注意を払っていないと、後でとんでもない目に遭いかねないのが怖い所ですね。
先般、ドコモやAUのデータ回線が一部でパンクして混乱したというニュースが報道されておりましたが、その主原因が『予期しなかった情報データ量の多さ』であったそうです。とどのつまり、使用者本人が知らないままに裏で所有者の様々な情報が、どこかへ勝手に送信されたり『同期』されたりしているのが主要因で起こったみたいですね。
ま、スマホ持つ場合は、余計なアプリはインスコしない事と合せ、使わない時はGPSは勿論、Wifiや3G回線も切っておき、自動同期も外しておく事でしょうね。
その場合、メール受信を手動でしたりと多少不便にはなりますが、電池の持ちについては、チップのパワーを食わないだけガラケーと変わらないくらい長持ちします。
閑話休題、ここから冒頭の三題噺についてですが
今の自由世界では余り意識されていないと思いますが、先述の情報機器、社会管理機器に関して、一旦これらの仕組みを、何らかの『権力』が握ってしまうと、市民個々の行動や思想信条までもが全て彼等に解ってしまうことになる危険性が多分にあるということが、今回スマホの仕組みを調べてみて、良くわかりました。 オーウェルの悪夢が現実のものとなる危険性は、厳として存在するのです。
これら市民に浸透し一般化したパーソナルモバイル機器と、冒頭の『監視カメラ』システム(交安のNシステムやオービス、巷の防犯カメラ等々、現代社会には数え切れない程の監視カメラが存在します。 今の所それらは集約はされておりませんが、これらを集中管理するシステムは、しようと思えばすぐにでも構築が可能な筈です)そして、現在政府が進めようとしている『マイナンバー制度』(以前『国民総背番号制』として議論され、国民の個人情報を国に一元管理させる事の危険性について問題となり廃案となりました)などが組み合わされると、オーウェルが警告したホラーSFの世界が、すぐそこまで来てしまう事になりかねません。
1960年代後半から70年代にかけて流行った『情報化社会』という言葉がありましたが、その時に言われたのは『情報を制するものは、世界を制する』というものでした。
今考えてみて、やはりこの格言?は真実であるようで、過去からのMicrosoft、やApple、そして今のGoogleやTwitter、Facebookなどの情報関連企業が、リアル企業に比してべらぼうな株価も含め、今の世界の経済活動や社会活動において、死命を制する程の力を持ってきております。
そして彼等の最終目的は、Googleの社是にある如くに『人類が使うすべての情報を集め整理する』ことであり、現在世界中のスマホに採用されているAndroidOSは、その方針に沿ってGoogleがLinuxをベースとして開発したものだそうです。
今後我々市民が監視し注目してゆかねばならない事は、これら集約され整理された情報群と、如何なる種類の『権力』とも結びつかせてはならない、という事です。
何かと便利なスマートフォンですが、それを使う時は、それがいつのまにか『管理され監視されるための道具』にならぬよう、我々自身がきっちり継続して『政府や政治を監視』し続けなければならないのです。
『どぜう』改め『野ダメ』総理殿にも早々に退散退陣頂き、マイナンバーなどというまやかしを即刻クズ籠に投入させねばなりません。
※何れは国民全体の統一保障番号制は必要かと思われますが、今回の法案は拙速に過ぎ未成熟すぎるため廃案とすべきと考えます。
スマホとは、諸刃の剣とお互い心得るべし!