3アマ講習会の講師をやりました 2006/10
☆昨日、10月29日(日)に3アマの移行講習会の講師をしてきました。 4アマの講義は何度もやってきましたが、3アマは今回が初めてです。
JARDが国からの委託を受け、その流れに沿った講習会です。 Kハムショップが窓口となって募集し、今回は私が講師を務めました。
受講生は約60名で、その殆どは成人の男性でした。4アマの講習会だと、一部小学生の子供さんや女性、そして70代以上の男性なども受講されるのですが、さすがに今回の3アマコースはそれらの方はほとんどおられませんでした。
時間配分は、電信の知識を含めた法規の講義が4時間と、無線工学が2時間の計6時間です。 これを1日でやってその後すぐに試験があり、100点満点で各々60点以上取れば晴れて3アマのライセンスが取得できるコースで、昨年度から内容が簡素化され、人気が高まっているものです。
実際の授業の内容は4アマのレベルに毛が生えた程度であり、教則本の内容も重複する部分が多いのですが、試験問題は4アマとは微妙に差をつけており、やはり多少のプラス知識は要求されます。 それと、モールス符号を覚えておく必要があり、試験問題には点と棒で電信の理解を問うものがあり、やはり多少はトンツーを事前に知っておかねばならない形になっています。 とは言え、事前に模擬試験問題が配られ、法規と工学各40問(重複があり実際は各20問)の中から出題されますので、真面目に授業を受けてもらえば、大半の方は合格してもらえる訳です。
☆今回の授業の冒頭にも話したことですが、ITU(国際電気通信連合)憲章にもある通り、国際的にはアマチュア無線家は、『電信の送受信が確実にできること』という規定が厳として存在し、故に日本の4アマ(旧電話級)は、国際的には一人前のハムとはいえないのも事実であり(現在の4アマがHFは10Wしか許可されていないのはその理由によるものと思われます。U/Vが20Wなのに比べ、HFはやはりオマケなのでしょう)3アマから、はじめて本格的なアマチュア無線家と世界的に認められるという流れとなっております。 (ITU無線通信規則25条の5項)
※こんなこと書くと4アマの人に怒られそうですが、事実だから仕方ありません。(~_~;)
もちろん、日本政府は4アマもれっきとしたハムと認めていますから、別に文句を言うつもりはまったくありませんが。
要するに、一日6時間の授業を受け試験に通るだけで、50Wのパワーが出せ国際的にも認められるハムになれるのですから、長くハムライフを楽しむ意思のある人は、やはりこういったチャンスを利用するなどして上級ライセンスをを取得するべきではないかと思います。
☆今回の受講生の中には、なんと昭和33年に免許を取られたOMさん(OTさん?)もおられ、いわば大先輩に対しても講義をすることとなり、いささか緊張もしましたが、4アマ講習会の受講生と違い、みなさん無線のことは一通り知っておられ、授業は大変スムーズに進める事ができました。 その中で一番気を使い工夫が必要だったのは、やはり電信符号を理解してもらうことでした。 事前準備の段階で、押入れの中から長年ほこりをかぶっていたエレキーを引っ張り出し、またこれも年代物のしまっていた縦振り電鍵を準備しました。 私の使っていたエレキーは、KATSUMIのEK−150、電鍵はハイモンドのHK−702です。 これを授業で叩き、問題文に出ている電信符号を実際の音として皆さんに耳で聞いてもらいました。 やはり、CQ(ツートツート、ツーツートツーと打ちます)などは耳の感じで(音感で)覚えてもらった方が早いと思われます。
4アマの講義には実際に無線機(使っているのはアイコムのIC−505という古ーいリグです(*^^)v)を持ち込んで実演しておりますが、今回は出番はありません。
また授業では、最後に意図的に少し時間に余裕を見て終わるようにしており、その時間を利用して生徒さんに問題の最終チェックをしてもらいます。 今回は皆さん余裕の様子で、大半の方は早めにチェックを終えてのんびりしておられました。
☆朝10時から始めて午前中2コマ2時間、午後に4時間の講義を行い、終わったのは5時25分と、外はもう暗くなっておりました。 生徒さんたちはその後すぐに1時間の試験に臨みますが、講師の役割はここで終わりです。 皆さんが『ありがとうございました』と声をかけてくれる中『がんばってください』といいつつ会場を後にしました。
☆ということで、今年3月に『ハムの先生デビュー』してから今回まで、5月、6月、7月に各1回、10月に2回と、計6回の講師を体験しました。 1回の講義を行なうに当っては1週間前くらいからいろいろ事前準備をしておく必要があり、また体調も整えておかねばならず、結構神経を使います。 しかし、生徒さんたちに少しでもハムライフの楽しさを伝えたいという想いで、こりもせず毎回努めております。
( 2006/10/30 )