最近はJTモードにはまってます 2017/6


 昨年末頃からお空にカムバックしまして、早や半年以上たちました。
カムバックと言っても、前述の如く、昔やっていた衛星通信やV/Uの遠距離通信、コンテストなどはあまりやらず、もっぱらのんびりモードでのQRVです。

アンテナも別項に書いたとおり、YAGIは今の所全く上げておらず、ダイポールとGPだけでやってます。まあ、上げようにも、お屋根は既に別のものに占領されており、タワーやコン柱建てるにも場所が無く、当分はこのまま、ゆったりモード( 時々歯ぎしりモード f^^;) )でオンエアを続ける事にしております。

この、今流行の(CQ誌が年間特集してPRしてますね)JTモードは、本来はEME(月面反射通信)用に開発されたもので、超微弱な信号からでも情報を復調できる優れた方式−しかし超低速な為送れる内容には限りがあります−で、最近の電離層の不活性に伴うコンディションの低下を補う、結果として世界のハムにとっての救世主的存在となりつつある模様です。

どの位低速かというと、通信速度は毎秒3文字以下(2.7ボー!)です。
一昔前のアマチュアパケット通信が1200ボーですし、現在のスマホなどのLTEだと、遅くても秒速はメガ単位ですので、今の世の中の一般の通信速度の、100万分の1以下というスピードなのです。
でも、これでも交信は立派に成り立つのですから、アマチュアの世界は面白いですね。

 で、どうやって交信するのかというと、この方式は耳で聞いてマイクで話す普通の交信では無いので、スピーカーは絞っておいても構いません。また実際に電波が見えるわけでは無いので、無線機に繋いだパソコンの画面とにらめっこします。他局が発した電波を無線機が受信すると、画面上にその信号がラインで表示され、続いて、解読された情報の内容がディスプレイに表示されます。
たとえば自分がある周波数でCQを出したとすると、その周波数などに相手局の信号ラインが表れ、約50秒前後で、自分のコールサインと、呼んでくれた他局のコールが表示され、そこから交信が始まります。
その後数回のやりとりで交信が終わりますが、その間、マイクでしゃべる事も無く、マウスでポチポチとクリックするだけですべての交信が完結できます。 実に簡単ですね!v(^o^)v
何が面白いんじゃ!などと突っ込んではいけません。何せ趣味の世界ですから。(^◇^)ノ

 これまで筆者は、アマチュア無線結構長年やっていても、あまり海外の局と交信する事はありませんでした。
一部の局がやっている、短波帯でパワーをガンガンかけて、Your ファイブナイン QSL! などとワーワー叫んで、カード集めて自慢し合う、というやり方には、やはり違和感を感じており、設備に金かければ電波が飛ぶのは当たり前の話で、それこそ何が面白いんじゃ!と嘯いておりました。

しかし、このJTモードについては、比較的ローパワーで面白いように世界中とコンタクトでき、これこそハムの醍醐味かとも思っております。 JTモード愛好者の間では、強力な信号はかえって嫌われており、相手からのレポートが良すぎる(信号が強すぎる)と、かえって落ち込むことなります。国内同士の交信では最大20W、海外とは最大30Wというのが不文律となっております。
中にはそんなことお構いなしでガンガンやってる連中もおりますが、信号強度のレポートをデシベル値で遣り取りする為、誰がどの位パワーかけているか、すぐにばれてしまいます。

 ともあれ、PY(ブラジル)やLU(アルゼンチン)など地球の裏側の局とも、わずか20Wほどの電力と簡単なアンテナで十分に交信できますので、特に今後電離層の静謐化が予想されている中、アマチュア無線という趣味の世界に、新たな楽しみをもたらしてくれるモードが誕生し、今後も発展してゆくものと思っております。

 そうそう、誰かが言ってました。 あんたみたいな年寄りハムをお守りしてくれる、いいおもちゃができたね。


  ( 2017/6/26 )






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