サイクル24が来ない?! 2009/1


☆通常のマスコミではあまり触れられていませんが、今、太陽表面の活動に、多少の異変が起きている模様です。 具体的には、太陽表面に現れる黒点の数が、過去200年程度の例に比べ、その現れるパターンに異常が起きている、といわれております。

 過去、太陽は約11年の周期でその活動の増減を繰り返してきたとされています。そしてその流れで行けば、本来なら2007年の末頃〜2008年初には始まっている、次の活動が活発となる時期が、未だにその兆候が見られず、その活動の指標となる太陽表面上の黒点が、2009年の年明けにも全く現れていないとのことなのです。
本来であれば、体系的な太陽観測が始まってから、今回で24回目の活動期を迎える筈であったのですが、今現在においても太陽の黒点活動は依然として静穏なままだといいます。

 太陽活動が活発な時期、つまり黒点の数が多い時期においては、太陽から届くエネルギー量は増加し、それだけ地球表面は暖められることになります。
また、無線通信や人工衛星などに対しても妨害を与える『デリンジャー現象』など、様々な電磁気現象なども生起し、世界の気象や人間の社会生活などに種々の影響が出ることとなります。

そして同時にアマチュア無線に対しては、その時期は電離層の活動が活発になるため、『お空がひらける』つまり特にHF帯の飛びが大変良くなる時期になる訳です。
ハムの間では、以前の”サイクル○○”ではどこどこと繋がった!などと、良く太陽活動のことが話題になったりします。


 私は、以前の”サイクル21”や22の時期には前述のように10mFMなどを楽しんでおりましたが、その後一時期殆どQRTし、前回23の時期はパスしてしまいました。
今回また復活し、このサイクルが始まってふたたびバンドが賑やかになることを期待しているのですが、何故かなかなかお空は開けてくれません。

 現在、開店休業状態にあるハム業界も当然このサイクル24には相当期待し、各メーカーともにHF帯の新製品などを用意しているようですが、今のところ聞こえてくるのはローバンドのみ、という状態であり、仕事をリタイア後、再開局しようとしている団塊ハムの人たちなども、財布の紐をなかなか開けてはくれないようです。

☆過去、体系的に太陽表面の観測が始まった時代において、17世紀中盤から〜18世紀初頭にかけての70年間にわたり、黒点が殆ど観測されなかった時期がありました。
イギリスの天文学者エドワード・マウンダーが過去の記録を詳細に調査した研究に基づいて『マウンダー極小期』と呼ばれているこの時期においては、地球全体が寒冷化し、冬のロンドンではテームズ川が氷結したり、また日本においても天候不順が頻発した時期で、江戸小氷期と呼ばれています。 つまり黒点が観測されない時期が続き、太陽の活動が大人しくなってくると、地球の気候は寒冷化に向かうことになるそうです。 (黒点の活動が静かになるとそれに比例して地球への宇宙線輻射量が変化し、そのために雲が出来やすくなって地球が寒冷化する、という説も存在します。)

※また、他にも歴史上太陽黒点の少なかった時期はいくつか存在し、過去8000年間に18の極小期があったとされており、最後のダルトン極小期の終わり、1829年をサイクル1としているそうです。

☆CO2の過大排出によって地球の温暖化が叫ばれている昨今としては、太陽活動はかえって静かな方が、それと相殺されて良いという意見もあるようです。また人類が本格的に宇宙へ進出しようとしている矢先でもありますので、”太陽バースト”などの危険が少しでも少ない方が、宇宙開発にはより安全であるともいえるでしょう。ひょっとしたら、この21世紀初頭という人類にとって大変重要な時期においては、太陽を少し静かにさせるよう、神様が気を利かせてくれているのかもしれませんね。

もしそうであるなら、お空のコンディションが悪い、などと不満を言うのは少し贅沢だということになりますか。






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