アマ無線講習会の講師を体験しました 2006/3
1.講師研修を受ける羽目に
ご承知の様にアマチュア無線の資格取得については、現在、総務省から委託を受けたJARD(日本アマチュア無線振興協会)が主催し、各地で講習会を行っております。
私はハムの資格については全て国試で取りましたが、子供たちは、みな小学生の頃お世話になりました。
今回、2005年の秋に、私の地元で講習会の開催窓口をやっているKハムショップのF氏から、その先生をやってくれないかとの依頼を受けました。
ハム講習会の先生? 当初、余りイメージがわかず、深くは考えずに『別にかまわないけど・・・』と生返事をしておりました。
そうした所、後日になってJARDから『講師養成過程研修』のテキスト一式が送られてきました。
あれっ?と思いましたが、どうもF氏がすぐに申し込んでおいたようです。 今更後には引けず、研修を受講する事としました。
30分程のビデオと、講習内容の留意事項等に関し、比較的詳細に記述してある教材です。
大人しくビデオを視聴し、テキストに目を通し、『研修レポート』を記入し提出しました。
丁度その時期は、間の悪いことに他の事と重なってバタバタしていた時でもあり、簡単に1〜2時間でざっとレポートを書き上げて投函しておきました。
これで済んだわい、と思っていた所、2週間程経って、レポートが返送されて帰ってきました。
受講要領に『自筆で提出』とありましたので、ワープロを使用せずわざわざ手書きで書いたものをコピーして送っていたのですが、『自筆の原本』を提出せねばならんとの事 ⇒ 始めからそう書いとけよ!(~_~;)
原本を再度送付し、やっと済んだ!と思っていたら、また大きな封筒が。
今度は『レポート内容につき研修不十分と思われます』だと! JARDも人のレポート結構まじめに読んでるのね。(^_^;) 再度書き直して提出。
2〜3週間後、やっと『修了証書』なるものが送られてきました。
発行人の欄には 会長 原昌三氏 の名前が。 JARLと兼務しておられるようですね。 知らなかった。
やっと研修が終わった事を、一応F氏に連絡。 2005年もおしつまった12月末のことでした。
早速、『法規』の講義の担当を依頼される。 次回受け付けの講習会は、2006年3月に4アマコースを予定しているとの事。
しかし、過去に先生をした経験は、仕事の関係で『家電アドバイザー』の講師をやったことはあっても、アマチュア無線の講義は始めてであり、進め方において多少の不安もあり、参考のため事前に講習会を見せてもらうことにする。
2006年1月の日曜日に地元で行なわれた4アマ講習会に『講師研修受講者』として2回参加。
これらの講習会は国の委託を受けて実施されているものであり、結構制限がきつく、自由に会場に入れる訳ではないそうです。
法規と無線工学をそれぞれ聴講。 ベテランのN氏やU氏の話は、いろいろ参考になりました。
2.いよいよ先生デビューです
その後、事前の下調べや準備を整えました。 あとは度胸と独断と偏見で進める事にします。
そうこうしているうちに3月19日の日曜日、地元の商工会議所での開催となりました。
コース管理者はこれもベテランのH氏。 的確に段取りをされていました。
受講生は60名程で、小学生から60過ぎの人まで、例によって老若男女ミックスでの講習会となりました。
聞くところによると最近は、警察が総務省より委託を受け『違法無線局』の取締りを強化しているとの事で、車にアンテナを上げて走っていると、呼び止められることも多い様です。 その場合『無線従事者免許証』を携帯していないと、長時間尋問される場合があるとの事。
受講者の中には、過去、不法開設の罪で電波法違反で挙げられ、罰金を支払わされた後、正規のアマ局を目指して受けに来る人達が結構見受けられます。
最近4アマ講習会の受講者が増えているのは、その為もあるようで、そのせいか、皆さんの受講態度は大変真剣です。
授業は、休憩をはさんで90分の講義を計4コマやります。
当日の会場は60人がゆっくり入る結構大きな部屋があてられており、たかをくくってマイク無しでやったもので、のどがかれてしまい、休息時間に喉飴を買いに行くはめになりました。
最近の、特に4アマの教科書は、過去に免許を取った人から見ると『なんじゃこりゃ』と言う位簡単になっています。
A5版のサイズで、法規が正味54ページ、無線工学が57ページ のボリュームとなっており、これを法規6時間、無線工学は4時間で講義します。
つまり、日曜日2日間でやってしまう訳です。
しかしいくら簡単になったとはいえ、たったそれだけの時間で、特に無線工学のSSBやFMの原理などの説明をして、運用の仕方も教えて、終了試験を通す事など出来るんかいな、と思われるでしょう。 講義後の終了試験においては、法規10問、工学10問が出題され夫々6割以上の得点が要求されます。
しかし、講義と同時に渡される模擬試験集には、それぞれ60問の問題があり(ダブリがあるので実際は各30問)試験ではそれと同じ問題が出題されるしくみとなっています。 つまり30問のうちから10問、同じ問題が出る訳です。
これなら、模試問題を中心に授業を進めて行けば、何とかほぼ全員が合格できる事になるのです。
講義の終了後、受講者の方に感想を聞くと、結構分かり易かった、との事。 ほっと一安心。 小学生の子も、バッチリわかったと言ってくれました。
幾つかの反省点もありましたが、何とか先生デビューを果たせたかな、と思っています。
次回の講習会では無線工学をやってくれと依頼されていますので、今度は別の段取りが必要となりました。
この、ハム講習会の講師などという体験は、これまでのハムライフの中でも、結構興味深い貴重な経験をする事が出来ました。
この文をアップした後(3/30夜)F氏より連絡があり、全員合格したとの事。 肩の荷が下りた感じです。