私のスタンスについて 


現在、日本古代史において最も関心の高い話題の一つは、やはり『邪馬台国の所在地』に関する論考であろう。

江戸期より、様々な学者・一般人・アマチュア達が様々な論証を行い、種々の説を立て、色々な場所にその地を比定してきた。
しかしそのどれ一つとして未だに定説として確定視されているものはなく、今現在もその実在は謎に包まれたままである。
逆に言い換えれば、そこに様々な想像を加える事が可能であり、我々素人でもその論考を楽しむ事ができる。
今回、自分として、過去の諸説を踏まえながら、独自の論考を加えてゆきたい。 あわせて、古代の日本の歴史の流れ、特に大和政権の成立の流れについて、これも独自の立場からその推移を組み立ててゆきたい。

☆論考の前提とした諸事項

1.当時の人の立場に立って物事を考えるべき事
 ○現代人の常識、合理性と、当時のそれとは別である事を理解する
 ○世界観・人生観・死生観・倫理観・宗教観、など、当時の人はどう考えていたかを極力演繹する

2.ご先祖様を馬鹿にしない事
 ○当然、当時の人たちも現代人も同じ『ホモサピエンス』であり、持っている情報(質・量)の違いはあっても、その『思考能力』自体は
  変わらないという事実をきっちり理解して論考する
 ○三内丸山遺跡の発掘により、縄文期の人々の生活文化が大幅に見直された事に代表される様に、特に弥生期〜古墳期にかけて
  の、当時の人達の持っていた文明/文化のレベルも、現在、大方が想像するよりも、もっと高度なものであったと考えるべきでは
  ないでしょうか。

特に、農業生産・航海能力・地理情報・国際情勢への認識・そして『識字』についても、よりプラスの方向で見直すべきであると考えて
おります。

☆論考に際し、参考とすべき事項


1.古気象学  2.地政学  3.国際情勢  4.考古学の成果(出土品等からの情報)

5.心理学    6.社会学  7.記述情報(古文書からの情報)

8.軍事     9.政治学   など

つまり、古代史を紐解くにあたっては、専門的な考古学的分析や古文書の解析のみに終始するのではなく、現代科学の総合的見地、すなわち総合科学的論考が必要であると考える。


※過去の『発掘の成果』に対するスタンス

○一つの発掘の成果が、歴史認識を大きく塗り替える可能性があることは厳然たる事実である。
 ・『掘って出たもの』はその分析結果が事実となる。
 そして、『掘ったけど何も出なかった』場合は、そこに何もなかったという証明となる。
 しかし、『未だ掘ってない』場合は、『だからそこに何もない』証拠には決してならない。

○だから現在、遺跡等が発見されていない地域であっても、当時の状況から見てその可能性がある場合は、『絶対何もない』訳では決してない筈なのです。
当時そこが海であったり、また、非常な遠隔地で人の居住が全く想定できない場合は別として、多少なりとも遺跡などが存在する可能性のある場合は、その可能性も考慮した上で、具体的な論を組み立てる必要があると考えまられす。

○勿論、考古学の専門家の方々の立場としては、この『 I F 』を基にした論の組み立ては立場上難しいとは思いますが、我々素人はかえって自由にそれを行うことが出来るわけであります。

考古学上の『発掘成果』を、過去の歴史を考える上での『一つの要素』として扱い、他の様々な項目と合わせて、総合的な目でそれらを眺めてゆくべきと考えています。
特に、アマチュア(シロウト)の立場では、先ず『森』を見てその全体像とアウトラインを認識し、それから、その一要素として個々の『木』を見るのが正解と思っております。

  ( 偉そうな言い方になりましたが、要するに我々シロウトには、細か〜い事は理解の外なのです )


  参 考 資 料 

逆説の日本史1 古代黎明編/封印された「倭」の謎 井沢 元彦  /著
天皇家と卑弥呼の系図日本古代史の完全復元 澤田 洋太郎/著
ヤマト国家成立の秘密日本誕生と天照大神の謎 澤田 洋太郎/著
ヤマト国家は渡来王朝 澤田 洋太郎/著
邪馬台国の秘密 高木 彬光  /著
卑弥呼と宇佐王国 清輔 道生  /著
最新「邪馬台国」論争 安本 美典  /著
日本誕生記 2 安本 美典  /著
継体・欽明朝と仏教伝来 吉村 武彦  /著
ヤマト渡来王朝の秘密 朴   炳植  /著
古事記 (岩波文庫版)
口語訳 古事記 (完全版) 三浦 佑之  /著
邪馬台国は東遷したか 荒川博之・奥野正男 /編
新編吉備叢書 小早川 秀雄/撰著
おかやま桃太郎伝説の謎 山陽新聞社編
 他
 
インターネットサイト多数
諏訪春雄通信 アジア文化研究プロジェクト
古代で遊ぼ (川上しのぶ氏)
古代史獺祭 http://www001.upp.so-net.ne.jp/dassai/
邪馬台国大研究 (井上家のHP)
弥生の素顔が見える http://homepage3.nifty.com/kodai/yayoi/
邪馬台国の会ホームページ http://yamatai.cside.com/
古代出雲王国の謎 http://www.cam.hi-ho.ne.jp/sakura-komichi/kodaishi/
Nobk’s Home−Page http://www.infonet.co.jp/nobk/general.htm
 他

各位に対し、深く感謝申し上げます




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