最終章 : 人類社会のたどる道 まとめ


最終章 : 人類社会のたどる道 まとめ


 サルからヒトへと進化した後、何らかの要素により文明を持つことが可能になった人類が、これまでに辿ってきた社会のレベルと、今後辿るであろう社会について、最後に簡単に纏めておくこととしたい。
過去の人類社会の流れについては、トフラー氏や堺屋氏などが述べておられるとおり、現代の情報化社会まで3つの段階に分けられる、として良いと思われる。

☆農業社会(第一の波) 食べ物が豊かになった時代。
人間はそれまでの狩猟採集生活から、安定した食糧確保の可能な農業を発明普及発展させ、社会全体として余剰生産物を生み出し、それが社会の分業化を進展させ、様々な多様な文化や技術を発達させる原動力となった。


☆工業化社会(第二の波) モノが豊かになった時代。
18世紀後半以降、蒸気機関などの新たなエネルギー源を手にした人類は、機械にモノを作らせるようになり、工業製品の大量生産を可能とした。そしてそれを前提として、それまで一部の人間に独占されていた、モノを多量に消費する大量消費社会が生まれた。


☆情報化社会・知価社会(第三の波) 情報を豊かに使用する時代。
いつでも、どこでも、誰とでも情流がスムーズに行なえるユビキタス社会。そして現代社会は、その入り口にいると考えられている。コンピューターなどに代表される情報機器が圧倒的に社会に普及し、あわせてインターネットや携帯電話などの情報流通システムが発達することにより、『情報民主主義』が実現しつつある。
従来の、情報を独占したり制御したりすることによって優位性を維持していた類の機関(政府、政党、宗教団体、民族組織などの)は、次第にその地位を低下させ社会から排除される流れとなる。
そしてその世界においては、従来の『モノの価値』は相対的に下落し、『情報の価値』が最も重要視される。

そして、それ以降に到来する社会について、本説では先述の如く、以下の流れとなると予測している。


☆レベル4社会・離陸社会(第四の波) 心が豊かになる時代。
人間が精神的に成人化し、人類内部での積極的共存が可能となり、あわせて外環境(森羅万象・ガイア・梵・スピリット・いのちのつながり、など)との共生に目覚め、種としての持続した発展が可能となる社会。
エネルギー問題と資源問題の抜本的解決がその前提となる。


☆レベル5社会(第五の波) 人間の能力が豊かになる時代
人間が自らのハードウエアを変革することにより、より高いレベルで外環境に積極的に関与してゆく社会。
遺伝子工学やナノテクノロジーの成果を駆使して、人類という種自らが自らを変革し、生命としてのより高いレベルを目指す。
より高いレベルとは、人類の大半が以下の項目を満たすことをいう。
○ソフト的には、森羅万象との相互認知と互恵の意思を持ち、それらに対する利他心を継続して保持していること。そして、自己と全ての生命とのつながりを各人が認識し、感得していること。
○ハード的には、通常の病気や老化などに対する高い耐性を持ち、より高速且つ精緻な思考が可能で、高い反応速度を持つ肉体を確保すること。そしてそれを他の存在の為に生かそうとすること。
人類が今後宇宙に進出し、他の星系などに到達し、多様な生命と遭遇するにおいて、それまでに人類は、『地球人類』から『宇宙人類』となっておく必要がある。




    



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