団塊おじさんの1アマ受験記 2006/1


1.そもそもの始まり
2005年4月 ハムショップF氏より、上級アマの試験制度が変わり、2005年後半の試験から、1アマと2アマの国家試験の中の電信の試験が易しくなるとの情報をいただき、従来より長年思っておりました第一級アマチュア無線技師の受験を具体的に考える様になりました。

私のハム経歴概略は別項で縷々ご紹介させて頂いておりますが、SSTV等をやりたくて昭和55年(1980年)4月の国家試験で2級を取得しておりました
(当時は、SSTVやFAXは2アマ以上にしか許可されていなかった)が、その後電信には余り興味を持てず、当時の1アマの受験レベルである、1分間60文字の欧文と50文字の和文の受信、特に和文電信を意図して覚える機会がありませんでした。
その後、平成8年4月に和文の試験が廃止され、その時には再度1アマ受験の事も考えたのですが、丁度仕事が忙しくなった時でもあり、また単身赴任で故郷を離れ、マンション暮らしの中、無線からもずっと遠ざかっていたので、結局そのままになっておりました。

そして今回の改正で、その欧文電信も簡略化(免除)される形となり、また、ペーパー試験の勉強の為の時間も取れる環境となり、やっと重い腰を上げる事となりました。
ただ、今の所、別に1KWの出力でOVER−SEAをしたい訳でもなく、またパラボラを上げてEMEなどをするつもりもありませんが。


2.勉強をはじめるまで − 我ながらスローペース −
○8月下旬
10月より申込受付される新しい試験の概要が公表され、12月の試験より新方式となることが正式に公示されました。
F氏との話 『ワシも受けに行くから、アンタも行ったら?』 『そうやねえ、やっぱりそろそろ行きますかなあ』 『ハイ、これ問題集ね。2400円なり!』
『ウーン、じゃあ、もらいましょうか』
1アマの問題集を購入し、ぱらぱらとめくる。 が、殆ど実感がわかない。
なにしろ理科の勉強をするのは25年振りであり、まったく頭が切り替わらない。

○9月上旬
やっと、ぼつぼつ取り組む気になる。
無線工学の勉強について
以前の記述式と違い、4〜5者択一式と補完式、正誤式となっており、ポイントさえ押さえれば比較的易しい様に思え、当初は高をくくっていました。
ただ、問題集を購入し数問を試しに解いて見て、やはり文科系出身の身にはぶっつけ本番では少し難しいかな、という想いはあり、特に覚えるべき数式が2アマレベルより相当多岐に亘っており、時間をかけて少しづつ理解してゆく必要性を感じておりました。
法規の勉強について
これも択一式と補完式、正誤式であり、こちらの方は所謂常識問題の延長で何とかなるレベルとも思いましたが、やはり、一通りはきっちり覚えてゆく事が必要の様です。

しかしこの時は、それぞれ10数ページ分解いて見ただけで他の事も忙しくなり、またもや中断してしまう。

○10月上旬
ハムショップF氏より受験申込書を渡され、やっと少しづつその気になってくる。  申込締切は10月20日とのこと。
受験手数料8980円を郵便局に振り込む。  試験地の広島までの往復旅費とあわせ約2万円の経費である。  元が取れるんかいな。

追い討ちをかけるように、F氏から、3〜4アマ講習会の講師の資格を取ってくれと依頼される。
以前、冗談半分本気半分でこの話を交わしたことがあり、今F氏が頼んでいる先生が高齢のためピンチヒッターが要るとの事。
 (講習会の講師は、原則65歳以下の人となっているそうです)
そのために、JARDの研修を受講し、レポートを提出する必要があるとの事。
瓢箪から駒の話が現実のものとなり、あわてる。
2〜3日後、JARDから教材が郵送されて来、いよいよのっぴきならなくなる。
講師の推薦書に、本人が取得している資格の記入欄があり、2アマでも3年以上のアマチュア無線業務の経験があればOKとの事。
しかしやはりこんな事を引き受けるからには、意地でも1アマを取らねばならなくなってしまった。 (~_~)  安請け合い災いの元。

しかし、それでもまだなかなか問題集をやる気にはなれない。
しょうがないから無線工学の解説本を購入し、ぱらぱらとめくってみる。

○10月中旬
このホームページを立ち上げる。
但し当初立ち上げたコンテンツはアマチュア無線の話でなく、日本古代史の話と山の話。
UPしたコンテンツの追加や修正で、しばらくそちらに懸かりきりになる。

○11月上旬
受験票到着。
ちらと横目で見て、そのままにしておく。

○11月中旬
やっと、そろそろやらなければ、という気になってきて、残された時間で可能な受験計画?を立てる。

CQ誌によると、過去の1アマ国家試験の合格率は20%台との事である。
また今までの例では、過去問からの出題率は大体5〜6割位だそうであり、過去問題集が解ければ、大体は合格圏内に入ると思われる。
 (合格圏は得点率70% ⇒ 工学105点・法規87点とのこと)

そこで
私の取った受験対策の基本として 『1アマ問題集を全問実際に解いてみる事』 を軸に進めることとしました。


3.具体的な受験対策の流れ − 些か独りよがりなやり方ですが −
新しいノートを用意し、先ず無線工学に取り掛かる。  時間が取れるときには、近くの図書館へこもって出来るだけ集中して学習する。
1回目、計460問180ページをやるのに約3日かかった。
次に法規を解く。 こちらは302問118ページにほぼ2日かかった。

具体的なやり方として、最初に問題を解いてノートに回答を筆記し、即それと回答と照らし合わせて確認する。
間違いの箇所をチェックし、別のノートにそのポイントを記入してゆく。
先ず1回通りは、上記をがむしゃらにやる。  そして2回目には、2回とも間違った箇所を問題集にマーキングしておく。
ここまでで10日程かかってしまった。

次に、3回目はマークした問題のみをずっとやってゆく。 無線工学、法規それぞれに丸1日を充てた。
特に無線工学にてこずり、大変時間がかかり、夜遅くまでに及んでしまった。
しかし3回目になると、やっと回答の意味、内容が掴めてくる。
最初は回答の流れを追って行くのがやっとだったものが、解説本を参考にしたりしてし、次第にその内容が理解出来始める。
しかしまだ完全には頭には入らない。
4回目も同じく、マークした問題に再度挑む。
ここまでで、何度も自分が引っかかった問題の傾向が、大体把握できてくる。

(例) ⇒ 『キルヒホッフの法則』
1回目:高校物理に出てきたやつだよな。  しかしさっぱり回答の内容が理解できず、回答の通りに機械的に解くが全く意味不明
2回目:やっぱり頭に入ってない! 何でこうなるのかよう解らん。 またパス!
3回目:あ〜! そういう事だったんか。  解った解った(^^♪
でも4回目:あれ〜なんで解けんのじゃ−。  また解らんよーになった (~_~;)
こんな事の繰り返しでした。

ここまでで、約2週間過ぎました。  残すところあと3日!


4.無線工学の諸公式などの記憶法
やはり、必要な公式は自分で別紙に記入し、自分の理解し易い様に纏めて置く事が必要の様です。
これを横に置き、しかし出来るだけ見ないようにして問題を解くようにしました。


5.最終のまとめ
最後の2日間で、マークしていない問題も含め、仕上げとして全体をざっと通しました。
ここまでで4回+α 問題集をやったことになります。


6.いよいよ試験当日
12月10日、いよいよ試験当日です。
9時半からの試験ですので、出来るだけ余裕を見て早朝に家を出、新幹線で広島まで行きました。
今更じたばたしても、と思っていたのですが、行きの車両の中でも問題集、公式表を広げてしまいました。
広島駅で朝食のモーニングセットを取り、腹ごしらえの後、その足で試験会場へ向かう。
会場には既に他の受験者も集まっており、ここでも皆問題集に目を落としていました。

試験会場は2部屋に別れており、一方はCW受信試験のあるコース(つまり、いきなり1アマのコース)もう一方はそれが免除された受験者のコースです。
私は2アマを取得していますので、CW免除コースの部屋です。
広島での応募者は両方で77名、免除コースとフルコース半々位で、うち実際の受験者は8割位でした。
双方の部屋共、老若男女、様々な年齢の人が受験に来ておりました。
白髪頭の人も結構おり、皆さん年をとっても大変前向きな方が多いようでした。

午前中が無線工学です。
問題配布の後注意事項の説明があり、そしてしばし待機、9時半になり、始めてくださいの合図でスタートしました。
問題用紙はB4版で文字も比較的大きく、高齢者にも配慮しているようでした。
1問目から取り敢えずざっと解いてゆき、問題用紙に回答の番号をマルしてゆきます。
途中、複雑な計算問題で時間がかかりそうなのはパスしておき、40分程度で最後の問題まで全て目を通します。
その後もう一度個々に確認し、先ず自信のある回答を別紙の回答用紙にマークしてゆきました。  マーク式の回答は、転記ミスには特に気を使います。
その後計算問題を、個々にじっくり解いて行くことにしました。  ( 結局、今回の試験ではキルヒホッフの法則は出題されなかった (T_T) )
最後の30分で問題の読み落としや誤解等無いかを再度確認し、解答用紙全般を最終チェックします。
結局、時間ぎりぎりまで使いました。

そそくさとした昼食の後、13時半より法規の試験となります。
ここも同様に確実な問題から解いてゆき、あやふやな項目はチェックしておき、後でまた再度見直します。
大体30〜40分で一通り回答し、後30分程度かけて最終チェックします。
試験時間は15時半までありましたが、15時前には回答を提出し、会場を後にしました。


7.その結果や如何に?
帰宅後に自己採点を行なった結果では、両科目とも何とか合格圏内の点数は取れた模様でした。  でもまだ最終結果は分かりません。

後日(12月18日)日本無線協会のサイトに今回の国家試験の問題と回答がUPされていました。  結構レスポンス早いですね。  好感持てます。
それにより採点してみると

 ○無線工学 150点満点中 得点132点
  計算問題5問のうち、3問も間違ってしまった (ーー;) ⇒ 計算問題出来なくたって試験は通るのダ!(ほとんど開き直り)

 ○法規    125点満点中 得点114点 でした。
  既出問題の、それもノーマーク問題を勘違いでミスってしまってた! (+_+)

12月も押し詰まり、27日には試験結果通知書が送られてきました。  シールをめくると『合格』の二文字があり、ほっと一安心。

早速、従事者免許の申請書を記入し、投函しておきました。

やっと肩の荷が下りた気分です。

でも、ローカルさんに1アマ受験の話をしても、誰も『ヘー』とは言ってくれません。
『ふーん』の次には、決まって『よう頑張ったねー。でも俺は受けないよん』です。
以前、携帯電話を持つ前までは、みんな固定機モービル機は当然のこと、ハンディ機の2〜3台も持っていて、アクティブだったのに。
アマチュア無線に対する当時のあの燃える想いは何処へ行ったのでしょうか?

日本の国にアマチュア無線が復活するのには、07年問題が済んで皆もっとヒマにならないとだめなのでしょうか。


 ご参考 ⇒ 文科系人間が1アマを受験するための無線工学の覚え方ポイント
  (今回の私の拙い経験をもとにしたものです。  少しでもご参考になればとの思いから敢えてUPさせていただきました)

UPLOAD 2006/1/10





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